太陽光投資に朗報。九州の出力抑制に救世主!? 関門連系線とは?

太陽光投資に朗報。九州の出力抑制に救世主!? 関門連系線とは?

現在、日本では再生可能エネルギーの普及という国策が進められているにも関わらず、今度は普及しすぎたから発電を抑えてくれという状況が起きてしまっています。

それが「出力抑制(または出力制御)」です。これは電力の需給バランスを整えるために行われるもので、出力抑制がかかってしまうと太陽光発電所から買電されなくなってしまいます。

今回は太陽光投資事業者にとって収益に影響が出る(とはいっても、低圧の太陽光に回ってくる順位は低いです)「出力抑制」のリスクが軽減されると期待できる、2019年4月1日から九州電力が拡大した「関門連系線」の送電能力について詳しく解説していこうと思います。

再エネの出力抑制に対して国はどのように対策する?

2014年に発足した「RE100」など、再生可能エネルギーへの取り組みは世界中で盛んに行われています。その波に押され、太陽光発電は今後も長く注目され続けるであろう新エネルギーの1つです。

日本国内、特に九州地方で太陽光発電の普及が急速に進んできました。九州は全国的に日射量が多く、冬場の積雪による収益変動が少ないため、多くの事業者が太陽光発電を始めたのです。そしてついに2018年に九州電力で日本初となる出力抑制が実施されました。

国としてはまだまだ再生可能エネルギーによる発電を増やしたいところなので、近年の太陽光発電の勢いを止めたくありません。経済産業省が提唱している再生エネルギーの出力抑制の対策として以下の4つがあります。

  • 連系線のさらなる活用
  • 九州で太陽光発電した電力を本州に供給するための連系線の送電容量を拡大すれば、九州での太陽光発電をさらに促進させることができる。

  • オンライン制御の拡大
  • オンライン制御は電力の需給状況を直前(2時間前)まで確認してから出力抑制を行うことができるため、オフライン制御よりも融通が効きやすい。

  • 火力等の最低出力の引き下げ
  • 火力発電や原子力発電は出力調整速度が遅いため、出力抑制の融通が効きにくいので、最低出力自体を引き下げて抑制することで再生可能エネルギーの普及を促進させる。

  • 出力抑制における経済的調整
  • メガソーラーなどの大規模事業者を優先的に抑制していくことで、抑制後の経済的損失が均等になるように調整する。中小事業者に対する抑制をなるべく避けることで、制御範囲を狭くすることができる。

    これらのような対策を提唱しています。本記事では今年実際に開発と運用が開始された「連系線のさらなる活用」という点についても詳しく見ていきます。

九州電力の関門連系線とは?

今回のキーワードである「関門連系線」とは、北九州変電所(福岡県北九州市)と新山口変電所(山口県美祢(みね)市)を結ぶ、全長64.2kmに渡る送電線のことです。この関門連系線運用開始以前の再生可能エネルギーの送電量は45万kWで、電力会社の供給バランスを維持するために、各地の供給エリアをつなぐものとして作られました。

経産省はこの送電線(連系線)の活用方法を工夫することで、より太陽光発電に力を入れることができると考えました。つまり太陽光で発電した電気を、九州から本州にもっとたくさん送ることができれば、九州で太陽光発電設備の出力抑制の可能性を下げることができるということです。

では、そのようなことをどうやって実現したのでしょうか?
それは「転送遮断システム」という技術開発がカギとなります。

もともと関門連系線は、送電線の切断などの事故が生じた場合でも安全に運転ができるように、一定程度の空き容量を確保した上で利用されています。つまりまだ使える容量があるにも関わらず、事故のリスクを考えてあえて使っていない部分があるということです。
九州電力の関門連系線とは?
© 電気事業連合会

九州電力はそこに着目しました。事故に対して新しい対処法が見つかれば、連系線で使っていない部分も送電に利用できるかもしれないと考えたのです。

そこで今回開発されたのが、転送遮断システムです。これは、連系線で事故が発生した時に、瞬時に発電機そのものを停止させるシステムで、IoT技術を導入することで開発されました。
九州電力の関門連系線とは?
参照データ出典:九州電力

転送遮断システムの開発によって、トラブルの新たな対処法を実現することができました。そしてついに2019年の4月1日から関門連系線の送電容量拡大に成功したのです。テストを十分に行い、結果的に九電管内から他電力管内に送れる電力量を約30万kWも拡大されました。

関門連系線は出力抑制にどのくらい効果があるの?

では実際にどのくらい出力抑制を減らせるようになったのでしょうか? 2018年の10月20日と21日に行われた出力制御をシミュレーション材料にして、どのくらい効果が出るのかを見てみましょう。
関門連系線は出力抑制にどのくらい効果があるの?
出典:経済産業省

10月20日のシミュレーション(左図)を見てみると、制御量が307万kWhから83kWhにまで抑えられるという結果が出ています。つまり制御量を約70%削減できるということになります。21日と同様の場合(右図)も約40%削減できる予想です。

この結果から、連系線の送電容量を拡大したことによって出力制御のリスクが大幅に下がったということがわかります。さらに、経済産業省は関門連系線を最大で135万kW程度まで拡大していく方針を発表しています。これから太陽光発電投資を始めたい方や、現在運用している投資家にとっては非常にありがたい状況になっていきます。

それでも出力抑制が心配…。その対策とは?

今回は関門連系線の送電容量を拡大することで、出力抑制のリスクが軽減されるという話をしてきました。今後も太陽光発電をさらに促進していくために様々な対策が行われることが予測されます。

とは言え、「出力抑制が行われた場合は収益が減ることは変わらないんでしょ?」と考えていらっしゃる投資家の方も多いと思います。なので、投資家が物件を購入する際に考慮するべき、出力抑制の2つのリスクヘッジ方法をご紹介します。

  • ①出力抑制保険を利用する
  • 販売会社によっては商品を購入した際にオプションで保険に入ることができます。保険に加入してリスクを回避する方法。メディオテックでも抑制対象地域の物件をご購入の際は、同時にご案内が可能です

  • ②出力抑制のルールが厳しい地域で太陽光は買わない
  • 九州以外でも、東京電力管内、中部電力管内、関西電力管内以外では出力制御が実施される可能性あります。シミュレーションよりも収益が下がってしまうことが考えられるので、その地域の物件よりも東電、中電、関電管内の物件に人気が集まっているのです。

電力会社の地域によって適用されるルールに違いがあります。例えば東京、中部、関西電力のルールでは低圧の太陽光設備は出力制御の対象外となっています。このようなルールをしっかりと考えた上でどこに設備を購入するかが重要になります。

出力抑制の地域別の違いに関しては下の記事をご覧ください

九州で太陽光発電しすぎ問題とは?太陽光投資と出力抑制の関連について

このように、出力抑制は購入する業者や物件によっては回避できるのです。太陽光投資には他にも様々な注意点があり、それらをしっかりと考慮することが重要であることは言うまでもないでしょう。
出力制御やその他のリスクを踏まえた上で「実際にどのように物件選びをしたほうがいいのか」ということを当社の営業が実体験をもとに話している記事があります。ぜひ参考にしてみてください。

【プロの視点】第2回『太陽光発電投資のリスクと出力抑制について』

いかがでしたでしょうか?今回は太陽光発電投資の不安要素である「出力制御」に着目し、九州電力で実施された関門連系線の送電容量拡大のお話をしてきました。「出力制御」は収益に関わる重要な要素です。ぜひ正しい認識を持った上で投資を行い、みなさんがより良い資産運用をしていただけることを願っています。

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