太陽光発電投資の税制その1〜消費税の取り扱い方で格段に利益が増える!

太陽光発電投資の税制その1〜消費税の取り扱い方で格段に利益が増える!

太陽光発電投資は発電した電気を電力会社に買い取ってもらって、その収入と投資元本の差益を目的とした投資商品なのは、もうみなさんご存知のとおりです。「電気を売る」ということは、私達が普段「電気を買っている」ときに一緒に納めている「消費税」が、「電気を売る」ときには入ってくる、ということになります。それでは、その消費税の処理の仕方と、方法によって利益計算が変わる部分からご説明しましょう。

太陽光発電投資の売電収入には消費税が含まれるか?

消費税というのは、商品の売買時に同時に支払いを済ませ、受領した店舗や企業が、追って納めるという仕組みなのは、みなさんご存知だと思います。太陽光発電投資で得た収入にも消費税が含まれています。ですから、それを納める作業が必要になるわけです。

そのまま税金を納めてしまえば、収入としては計算できなくなります。納めなければ、収入として組みこむことができますが、手続きを踏まなければ追徴課税までのしかかってくるなんてことも…。そうなれば利益が飛ぶこと確実です。

では、消費税分を利益にするにはどのような手続きを踏んで、どのような処理をするのが正しいのでしょうか。

売電収入の合計金額で分かれる、消費税の対処の仕方

太陽光発電投資を個人で行う投資家の方の場合、消費税を扱う事業者は2つのタイプに分けられます。

課税期間(=事業を行っている期間)の基準期間(個人事業者は前々年)において、課税売上高(=消費税抜きの売上高)が1000万円を超える事業者は「課税事業者」に、1000万円以下の場合は翌々年は「免税事業者」となります。また特定期間(個人事業者の場合は、カレンダーで1年をはかるので、基準期間の翌年1月1日から6月30日まで)を含めて1000万円を超えると翌々年に課税事業者となります。

太陽光発電投資で得る売電収入は、以前の「太陽光発電投資商品の表面利回りはなぜ高いのか?~株式や国債の上を行く高い表面利回り」で用いた簡易計算式を当てはめると、

1,100kW×50kW=5万5000kW×18円=99万円(税抜)/消費税分7万9200円

という計算になります。ということは、大半の投資家産は「免税事業者」にあてはまることになります。

太陽光発電投資の表面利回りはなぜ高いのか?〜株式や国債の上を行く高い表面利回り

免税事業者は消費税分をそのまま収入に

「免税事業者」の方は、見た通り消費税の納付を免除されます。上の計算式ではじき出された消費税分の7万9200円はそのまま、収入として組み込まれることになります。

もしも、太陽光発電投資以外の事業性収入売上高を含めると、1000万を超える方は「課税事業者」ということになりますので、全ての売上で預かった消費税分を納付することになりますが、「課税事業者」の方には「免除」ではなく「還付」を受けられる仕組みがあります。

では、「消費税還付」と「消費税免除」はどちらが得をするのでしょうか?

投資初年は設備投資で消費税を多く払う

まず投資を始める際には太陽光発電システム一式に大きな支払いをすることになります。上の説明で使った簡易計算式同様に計算をしてみましょう。

太陽光システム
▲1069万2000円(消費税込) ※支払い済みの消費税相当額 ▲79万2000円
売電収入
106万200円(消費税込) ※売電収入の消費税相当額 7万9200円

この場合、普通に考えれば「免除事業者」なのですが、手続きを踏んで「課税事業者」になっておくと還付を受けられることになります。

使えるものは使っておかないともったいない

課税事業者になると相殺分が還付されることになるので、

7万9200円―79万2000円=▲71万2800円

の還付を受け取ることができます。単純に免税事業者として運用しているときと、約90%差があるこの大きな収入を取りこぼすことになるのです。それは、ほんとうにもったいない!

では、どのようにして課税事業者になればいいのでしょうか。

税務署は待ってくれない。期限内の書類提出を!

初期投資の消費税還付を受ける場合は、税務署に所定の書類を提出する必要があります。
下の表を見てください。

事由 届出書 提出時期
基準期間の課税売上高が1,000万円を超えることになったとき(又は1,000万円以下となったとき) 基準期間用 消費税課税事業者届出書(消費税の納税義務者でなくたった旨の届出書) 速やかに
特定期間の課税売上高が1,000万円を超えることとなったとき 特定期間用 消費税課税事業者届出書 速やかに
資本金の額又は出資の金額が1,000万円以上の法人を設立したとき 消費税の新設法人に該当する旨の届出書 速やかに
免税事業者が課税事業者を選択するとき(又は選択を取りやめるとき) 消費税課税事業者選択(不適用)届出書 選択しようとする(選択をやめようとする)課税期間の初日の前日まで
簡易課税制度を選択するとき(又は選択を取りやめるとき) 消費税簡易課税制度選択(不適用)届出書 その適用を受けようとする(適用をやめようとする)課税期間の初日の前日まで
課税期間の特例を選択又は変更するとき(又は選択を取りやめるとき) 消費税課税期間特例選択・変更(不適用)届出書 その適用を受けようとする(適用をやめようとする)課税期間の初日の前日まで

注意)免税事業者が課税事業者となること、又は課税事業者が簡易課税制度及び課税期間の特例を選択した場合、原則として、2年間は選択を取りやめることができません。
期間内に申告や納付をしなかったり、間違った申告をすると、後で不足の税金を納めるだけでなく、加算税や延滞税も納めなければならいなことがあります。

資料出典:国税庁

上から4段目にある「免税事業者が課税事業者を選択するとき(又は選択を取りやめるとき)」が該当項目です。提出する書類は「消費税課税事業者選択届出書」で、提出期限は「選択しようとする課税期間の初日の前日まで」となっています。

つまり所定の書類を、太陽光発電投資を開始した年末までに提出をしなければならないということになります。ただし、ここで注意をしなければならないのは、個人事業主の方など、事業性の収入がすでにあって「免税事業者」の取扱を受けている人です。

この場合は、太陽光発電投資をはじめる前年末までに「消費税課税事業者選択届出書」を税務署に提出する必要があります。ですので、投資を始めるに当たり、ある程度の計画性が必要になるということです。

3年間の拘束を受けたとしても利用するべき

それともうひとつ、表下の注釈にも注目してください。「免税事業者が課税事業者となると、原則として2年間は選択を取りやめることができません」とあります。ということは、投資開始初年、2年目、3年目は、消費税を納めなければならないということになります。

上で用いた数字で再度確認してみましょう。

太陽光システム
1069万2000円(消費税込) ※支払い済みの消費税相当額 79万2000円
売電収入
106万200円(消費税込) ※売電収入の消費税相当額 7万9200円
※計算をわかりやすくするために、経年劣化などによる売電収入の年次漸減は考慮しません

初年は79万2000円−7万9200円=71万2800円の還付を受けましたが、そのあとの2年は7万9200円×2年=15万8400円を納める必要があります。

初年度から「免税事業者」だとすると
7万9200円×3年=23万7600円が収入として繰り入れられる
初年度から「課税事業者」だとすると
71万2800円−7万9200円×2年=55万4400円の還付

3カ年の消費税収入差は31万6800円で、還付を受けるほうが大きく得ということになります。しかも課税事業者の場合は年ごとに、太陽光発電投資にかかった経費の消費税分を還付計算にできるので、もう少し差が増えると思います。

では還付を受けて利益を得たあとは、そのままでいいのでしょうか?

利益を減らさないよう、4年目の消費税の取扱い変更を必ずする

初年の消費税還付を受けるには消費税の「還付事業者」になる必要があることは上の説明で分かっていただけたと思います。では自ら名乗り「還付事業者」になった縛りがとれる4年目以降は、どのようにするのがいいのでしょうか。

上で用いた国税庁資料を再度確認してみましょう。

事由 届出書 提出時期
基準期間の課税売上高が1,000万円を超えることになったとき(又は1,000万円以下となったとき) 基準期間用 消費税課税事業者届出書(消費税の納税義務者でなくたった旨の届出書) 速やかに
特定期間の課税売上高が1,000万円を超えることとなったとき 特定期間用 消費税課税事業者届出書 速やかに
資本金の額又は出資の金額が1,000万円以上の法人を設立したとき 消費税の新設法人に該当する旨の届出書 速やかに
免税事業者が課税事業者を選択するとき(又は選択を取りやめるとき) 消費税課税事業者選択(不適用)届出書 選択しようとする(選択をやめようとする)課税期間の初日の前日まで
簡易課税制度を選択するとき(又は選択を取りやめるとき) 消費税簡易課税制度選択(不適用)届出書 その適用を受けようとする(適用をやめようとする)課税期間の初日の前日まで
課税期間の特例を選択又は変更するとき(又は選択を取りやめるとき) 消費税課税期間特例選択・変更(不適用)届出書 その適用を受けようとする(適用をやめようとする)課税期間の初日の前日まで

注意)免税事業者が課税事業者となること、又は課税事業者が簡易課税制度及び課税期間の特例を選択した場合、原則として、2年間は選択を取りやめることができません。
期間内に申告や納付をしなかったり、間違った申告をすると、後で不足の税金を納めるだけでなく、加算税や延滞税も納めなければならいなことがあります。

資料出典:国税庁

同じ項目になりますが、4番目に「免税事業者が課税事業者の選択を取りやめるとき」とあります。つまり同じ様式で書類を提出すれば、1000万円以上の売上がなければ、免税事業者になれるということです。

書類の提出期限は、投資開始と違い、4年目になる前年の年末(3年目の年末)までに提出する必要があります。ここを間違えると、損することになりますので、ちゃんと提出するようにしましょう。
「3年目の年末」と書いてはいますが、税務署は御用納めまでなので、クリスマスまでぐらいの意識でいるほうが確実です。余裕をもって準備してください。

その他、押さえておきたい太陽光発電投資に関わる税制ついて

太陽光発電には土地が必要で、発電施設が必要です。有名どころの税金科目に「固定資産税」がありますが、「固定資産」とは「土地及び家屋と償却資産」にかかる税金です。なので太陽光発電投資には固定資産税がかかります。また売電と必要経費で収支がつくので、「所得税」がかかります。

この「消費税」の項目でもそうでしたが、税制に関しては知っているか知らないかで損益が大きく変わります。細かく確認した上で、収益計算をしてみてください。

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