しっかり理解して欲しい、太陽光発電投資のメリット・デメリット

投資にはいろいろな商品があります。株、FX、債権に仮想通貨。名前を挙げればキリがありません。でも初級編の「発電投資の仕組みをわかりやすく徹底解説!」でご紹介した通り、変動相場の投資よりも太陽光のほうが安定して運用できるとお伝えしました。ここでは、どうしてオススメできるのかというところを含めて、メリットとデメリットを明らかにしていきたいと思います。
目次
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太陽光投資のメリット
メリット1.発電資源が太陽である
太陽が全てにおいての利益の素です。火力発電やバイオマス発電のように燃やすものが必要ないですし、原子力のように有害物質を使用することもありません。投資以外の観点からもクリーンエネルギーは、環境に大きなメリットを与えます。
太陽がなくならない限りできる(なくなったときは地球もなくなると思います…)、普遍性・継続性のある投資、ということになります。不動産投資には空室がつきものですが、太陽が昇らない日はありませんし、曇りの日が多い月があったとしても年間で、しかも20年で均せばほぼシミュレーション通りの日照時間が確保できます。
メリット2.発電した電気の買取価格が一定である
「固定価格買い取り制度(FIT)とは? 仕組みとメリット、問題点は?」でお伝えした通り、発電所が政府に承認された時点で買取価格が決定し、その後20年間同じ価格で買い取ってもらえることが約束されます。つまり初期投資の回収時期や利益の計算が、ほかの投資商品に比べて容易であるということがメリットです。
国債なども計算は容易ですが、デメリットとして超安定過ぎて利益が出づらく、元本を大量投入しない限りリターンのボリュームも増えません。
メリット3.買取価格が一定なのに長期運用できる
買取価格が一定なのに20年間に渡って長期運用できるのは、それだけ元本回収期間、利益獲得にとって大きなメリットです。
例えば、仮想通貨を例に考えてみましょう。
1年間に何百倍という相場変動で大きな利益を作った通称「億り人」と呼ばれる人が、わんさか出てきました。でもそのまま運用していたら、あっというまに半分以下まで落ちたというのは、2018年初頭の話です。もはや投資というよりバクチのような話です…。
同じように長期運用になる不動産投資ですが、賃借人の出入りのたびに修繕などの諸経費と手間がかかり、空室リスクもあります。また地価の上下は個人の努力ではどうにもならないアンタッチャブルな部分ですもあります。しかもオリンピック後の不景気感と人口減少が原因によって、2020年がピークなのではないかとも言われています。
仮想通貨は極端な例かもしれませんが、変動相場の投資や、不動産投資は常に気を張って市場をチェックし、手入れをしていかなければなりません。その反対に太陽光投資は、運用をはじめたら、主に日照時間のチェックや発電量のチェックをしていくだけです。
必要な手入れといえば、パネルの邪魔になる雑草の手入れなどで、機器のトラブルでも発生しない限りは、日常的に何かを行う必要は特にありません。またメンテナンスに関しても、メンテナンス専門業者との契約でまるっとおまかせすることも可能です。太陽光のメンテナンスに関して、詳しくは下記をご覧ください。
契約から運営するまでの手間を除けば、太陽光投資は、ふだん忙しいサラリーマンにも向いているという時間的メリットもあります。
メリット4.長期運用なのに表面年利(期待値)がほぼ一定
投資商品の長期運用は、超安定の申し子の国債ですら利息は変動します。しかも今日の低金利政策のおかげで、利息は微々たるものです。
太陽光投資の買取価格に関してはFITで一定になるというのは何度も書いていますが、年間を通して太陽光発電システムが浴びる太陽光の量は大きく変わりません。それなので年利の計算が算出されやすいのです。むしろ太陽光発電はシミュレーション値よりも上振れしやすいとまで言われています。
メリット5.手元資金が少なくても始められる
太陽光発電にはローンを組むことができます。もちろん審査はありますが、年利の計算が容易で、20年間売電できることがわかっているので、返済計画も立てやすいというメリットを活かすことができます。
最近は株や投資信託でも、NISAの優遇を享受すべく積立の商品が出てきています。ですが積立なのでなかなか利益のボリュームは増えません。投資元本を借りて株に突っ込むといっても相場は水物なので、元本回収はおろか破綻するなんていうことも…。そもそもそのような投資用の借り入れには、審査が下りないことがほとんどです。
手元資金に左右されずに、安定した運用ができるという点も、太陽光投資のメリットということになります。さらに太陽光投資においては消費税還付が受けられるというメリットもあります。つまり手元の資金を使うことなく、むしろプラスからスタートすることが可能ということです。詳しくは以下の記事をご覧ください。
メリット6.設備価格が年々安くなっている
「太陽光発電投資の仕組みをわかりやすく徹底解説!」で太陽光発電の歴史に触れましたが、「サンシャイン計画」が始まってから40年近くたち、技術革新によって太陽光パネルの価格は見違えるほど安くなりました。
さらにいえば、国産ではなく海外産のクオリティが上がり、より安くなっているという側面もあります。下の図は太陽光発電のシステム費用の統計です。投資用の太陽光の中心は50kW以上の施設になりますが、平成28年の資料でも年々下がってきていることがお分かりいただけると思います。
年々FITが下がって、太陽光投資のメリットがなくなってきているという人をたまに見かけますが、設備価格が下がっていることで販売価格も下がり、利回りはここ数年ほぼ変わっていないのが実情です。
販売価格が下がったことで手を出しやすくなったことに加え、機器の性能が上がったことによる発電量の向上、故障率の低下を踏まえれば、むしろ「今が好機」だという人もいます。
さらに2020年に関連法改正が検討されており、改正法施行前にFIT価格の決まった太陽光投資物件を購入しないと、変動相場でしか参入できなくなると予想されています。それを踏まえれば「今しかない」とも言えるでしょう。
太陽光投資のデメリット
良いことばっかり書いてきましたが、投資をするときはむしろデメリットのほうが大事。デメリットを理解して、リスクヘッジを取ることが収益性を上げることになるからです。では、太陽光発電投資にはどのようなデメリットがあるのかを見ていきましょう。
デメリット1.天候に左右されやすい
「太陽がなくならない限り」と書きましたが、なくならなくても日差しが出ていない日はあります。 「くもり」「あめ」などの天気予報的なものですが、なにより一番大事なことは「日照時間」「日射量」です。
気象庁が発表している「全天日射量」の統計(下の図は、南鳥島、石垣島、福岡、つくば、札幌の5地点平均)で、2000年代始めにかけて急激に増加した後、大きな変化が見られないということがわかりました。多少の上下と地域差はあるものの、日本においては太陽は安定して照らし続けてくれているということになります。
もうひとつ、デメリットへの対策は「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」が提供している「日射量データベース」が有効です。NEDOのウェブサイトでも「パネルを取り付ける場合の発電量を推定するためのツール」と記載されています。
太陽光の投資シミュレーションは一般的に、このNEDOの数字を使っていますので、これから太陽光投資を考えている方は、業者選定時にどこのデータを採用している業者がどうかを知ることで、リスクヘッジを取れることになります。
デメリット2.機器の故障、メンテナンス
さすがに形があるものなので、「絶対に壊れません!」とは言えません。さらに言ってしまえば投資に「絶対」はないからです。太陽光パネルだけでなく、太陽光発電の心臓部と言われるパワーコンディショナーは、電気機器です。
電気機器という点においては、太陽光パネルもパワーコンディショナーもご自宅にある冷蔵庫などと変わりありません。これらが故障するとなると、さすがに利益を圧迫する原因になってしまいます。
屋外に設置されるものですので、落雷に水害、はたまた誰かに破損されたりするなど、いろいろなケースが考えられます。投資の元本は土地と太陽光発電設備なので、元本そのものが破損すれば収益性に影を起こすこと必至です。
このデメリットへの対策は、損害保険です。もちろんそれぞれの製品にはメーカー保証がついていますが、メーカーの保証は機器の故障に対して、出力保証もパネルの故障に対して「だけ」ですので、それだけでは心もとないのです。
メディオテックのすべての物件には、システム代に10年の動産保険が含まれているので、安心して運用していただけます。
デメリット3.出力抑制(出力制限)
別の記事「固定価格買い取り制度(FIT)とは? 仕組みとメリット、問題点は?」の最後でも紹介した「出力抑制」ですが、やはりデメリットとして存在しています。2017年に施行された改正FIT法で、細分化されたところまで説明しました。これは簡単に説明を済ませられないので、「中級編」で掘り下げて説明をしようと思います。もちろんこのデメリットについても、ちゃんと対策を取ることができますので、合わせて説明していきます。
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