太陽光発電投資の表面利回りはなぜ高いのか?〜株式や国債の上を行く高い表面利回り

太陽光発電投資の表面利回りはなぜ高いのか?〜株式や国債の上を行く高い表面利回り

「投資、投資」と書いてきましたが、投資をする人にとって最も大事なのは、その投資に対する「リターン」です。投資をしたことがある人であれば誰もが「利回り」という言葉を耳にしたことがあるかと思います。もちろん、太陽光発電にも利回りという考えがありますが、投資に馴染みのない方のために、「利回り」という言葉をおさらいしてから、太陽光発電投資の利回りを確認してみましょう。

利益計算に大切。「利回り」についておさらい

「利回り」が5%の投資商品の場合、100万円の投資で5万円の利益が想定されているということになります。例えば10年もの国債の年利は0.023%(2018年7月現在)なので、100万円の国債を購入すると1年で230円(超激安!)ということになります(10年の表面利回りは単純に10倍した2300円となります)。

100万円×0.023%×10年=2300円

知っての通り国債が安いのには理由があり、国が発行しているという点と、破綻する危険性が株式などと比べて非常に少なく、極めて安定した運用がされているからです。

お調べになった方もいると思いますが、太陽光投資商品の表面利回りは軒並み10%を超えるものがザラです。ちなみに太陽光投資の場合は、「FITで売電価格が確約されている20年が投資期間」になりますから、20年間の売電収入で割って計算をすることになります。

国債との比較ではその差が歴然ですが、ほかの投資商品との比較もしてみましょう。

固定価格買取制度(FIT)の仕組みと最新の価格

ある経済誌が発表している投資信託商品の「本当の利回り」で、2016年に発表された最も高い商品で6%となっていました。投資のプロに預けて運用してもらう商品でも6%、個人投資家の株式投資の利回りも6%前後と言われています。しかも株式相場は水物で、投資のプロとて世界の急激な変化に対応できないこともあります。そう考えると、いかに太陽光投資の表面利回りが高いかがわかると思います。

「表」と「裏」? 騙されているのか?

ここで気になった方もいると思います。「表面」ってなに?って。「表面」と書いているからといっても、利回り計算に裏があるわけではありません。「表面」ではない利回りは「実質」利回りなどと言われます。上の経済誌で出てきた「本当の利回り」という言い回しも「実質」利回りということになります。

これは表面利回りからメンテナンス費用などの諸経費を引いたものを指します。前例のほかの投資商品であれば手数料などを引いたものとなりますが、いずれの商品にもコストはつきものなので、表面利回りよりも実質利回りは小さい数字となります。計算式にするとよりわかりやすと思いますので、下の事例をご覧ください。

太陽光投資における、表面利回りの計算
売電収入÷投資金額÷20(年間)×100=表面利回り
例)4000万円÷2000万円÷20年間×100=10%
太陽光投資における、実質利回りの計算
(売電収入―ランニングコスト)÷投資金額÷20(年間)×100=実質利回り 
例)(4000万円―?万円)÷2000万円÷20年間×100=10%以下

表面利回りの計算でも、実質利回りの計算でも、肝要なのはそれぞれの計算式に登場する「売電収入」です。では、売電収入はどのような計算が必要なのか、確認していきましょう。

太陽光発電における売電収入

太陽光発電投資は、運用が始まったときに決まる売電価格がFITによって20年間同じに決められるため、売電収入は発電所の規模や、その発電所が発電する電気の発電量によって収入が変わることは言うまでもありません。ここでは「50kW」の太陽光発電施設と仮定して計算したいと思います。

発電所がどれくらい発電するかは、設置場所や設置条件によって左右されます。資源エネルギー庁の「太陽光発電フィールドテスト事業に関するガイドライン基礎編(2013年度版)」には以下のように発電量計算の指標が示されています。ちなみに設置サイトがない秋田県は、日照率が全国最下位です。だから色白な秋田美人が輩出されているなんて話もあるくらいです。

太陽光投資の話に戻せば、日照率が低い土地はあまり発電しないため、太陽光投資に向いていないということになります。ただし、秋田県でも初期費用さえ押さえられれば、利益は当然出ます。

都道府県別 1kWあたりの年間発電量(kWh/kW/年)

北海道 1,048 石川県 972 岡山県 1,118
青森県 853 福井県 1,084 広島県 1,139
岩手県 ※1 山梨県 1,236 山口県 1,159
宮城県 1,049 長野県 1,218 徳島県 1,134
秋田県 ※2 岐阜県 1,115 香川県 1,148
山形県 1,063 静岡県 1,239 愛媛県 1,074
福島県 1,015 愛知県 1,191 高知県 1,033
茨城県 1,156 三重県 1,122 福岡県 1,096
栃木県 1,075 滋賀県 1,066 佐賀県 1,016
群馬県 1,152 京都府 926 長崎県 1,005
埼玉県 1,084 大阪府 1,080 熊本県 1,077
千葉県 1,099 兵庫県 1,099 大分県 1,106
東京都 1,078 奈良県 935 宮崎県 1,154
神奈川県 1,030 和歌山県 1,091 鹿児島県 1,094
新潟県 922 鳥取県 1,115 沖縄県 1,049
富山県 847 島根県 1039 全国平均 1,097

※1 設置サイトはあるがデータが有効なサイトがない ※2 設置サイトがない
資料出典:資源エネルギー庁 平成24年2月

ご覧の通り都道府県ごとに差異があります。富山県の847kWから静岡県の1239kWまで392も差がありますが、ここでは全国平均の近似値1100kWを用いて簡易試算してみましょう。

50kWの発電施設で得られる20年間の売電量は単純計算で
1100kW(1kWあたりの年間発電量)×50kW(発電設備の容量)=5万5000kW×20年間=110万kW

ということになります。

2017年に事業認可を受けた設備を2018年に購入し投資を始めたのであれば、FITで決められた売電価格 21円(税別)を110万kWに乗算して2310万円という答えがでてきます。これが売電で得られる収入です。ちなみに消費税分は184万8000円です。

50kWの施設で上記試算2310万円の売電収入がある場合、年利10%を生む投資価格は……

2310万円÷投資価格÷20×100=10%
投資価格=1155万円となります。
つまり物件の購入価格が下がれば、利回りは上がるということです。
例)2310万円÷770万円÷20×100=15%

最近では売電単価の低い物件は「過積載」という手法で、1.5倍、70〜80kWほどのパネルを載せるケースがほとんど。そのため、上記の例だと売電収入も1.5倍となり、年間の売電収入も200万近く出るように商品設計されています。
(例)4000万円(20年間の売電収入)÷2000万円(投資金額)÷20×100=10%
過積載にするメリットについてはこちらの記事をご参照ください。

【プロの視点】第3回『買取価格の下落と太陽光パネルの過積載』

ということになります。年利10%ですと20年の売電価格固定期間のうちの半分、10年で投資金の償却ができるということになります。しかしながら、これは表面利回りです。

ここからランニングコストなどを差っ引くと実質利回りは7%〜8%程度ということになります。ランニングコストの主なものとしてメンテナンスが挙げられます。詳細はこちらをご確認ください。

メンテナンス以外にも、太陽光パネルの経年劣化なども考えられますが、太陽光パネル自体にタービンが積載されていて直接稼働しているわけではないので、他の発電施設よりも劣化が軽微で、20年後の出力について10%程度に抑えられています。

今回の計算式に関してはわかりやすくするために、都道府県別の平均というザックリとした数字を使用しました。設置箇所がお決まりの方は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が提供する「日射量データベース」を利用してより精度の高い数字を算出しましょう。

ザックリ計算して、ランニングコストを引いても、ここまで見ると株式や投信よりは高い利回りです。ただ、さらにランニングコスト以外の事象も関わってきますので、チェックしてみましょう。

太陽光発電投資のメリット・デメリット

実質利回りの計算は、事象によって変動が大きい

土地を合わせて購入か、賃借するかでも変わる

土地と設備を一括で購入することが多い太陽光投資ですが、土地代込の初期費用なのか、毎月賃借料を払う20年借り上げになるのかで、計算が変わってきます。

土地を購入する場合は、FITで売電価格が固定された20年後に発電を終了する場合、土地売却時の評価額によって損益ブレが変わりますし、毎月賃借料を払う場合はランニングコストとして計算するようになります。

全額持ち出しで始めるか、ローンを組むかでも変わる

全額持ち出しで始める投資であれば、言うまでもなく借入金の利息を考慮する必要がありません。その逆で、ローンを組んだときには利息が発生しますので、コストとして計算する必要が出てきます。

信販会社や銀行によって、利息も変わるので、借入時にはその点も注意する必要があります。借入先などのファイナンスについては別記事をご覧ください。

太陽光発電投資は投資元本が高額? 本当にローンが組めるのか

消費税の取り扱い方法でも変わる

上の50kWの試算を用いてご説明しますと20年間の税抜き売電収入は2310万円なので、年間の売電収入は115万5000円となります。ちなみに年間の消費税分は9万2400円です。

なぜ消費税を別に記載をしているかというと、消費税分を収益にする取り扱い方法が2つあるからです。詳細は、別の記事でご説明しますが、「免税事業者」か「課税事業者」かによって、利益への折り込み方が変わってきます。

この消費税に関わる部分は、太陽光発電投資の利益に大きく影響しますので、そちらの記事をご覧ください。

太陽光発電投資の税制その1〜消費税の取り扱い方で格段に利益が増える!

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