日本は2021年にエネルギー政策を更新〜石炭火力からの脱却で太陽光発電投資はどうなるか

石炭火力発電所の縮小と再生可能エネルギーの拡張は日本の喫緊の課題である

2020年7月3日に梶山弘志経済産業大臣が会見で「非効率な石炭火力発電所の90%をフェードアウトしていく」「非化石発電の比率を上げる」という旨、会見で発表しました。今後、日本のエネルギー政策にどのような影響を及ぼして行くのか、投資家のみなさんが保有する、太陽光発電を含む再生可能エネルギーにはどのように関係してくるのかを見ていきましょう。
(ライター︰石川良治)

以前より、脱炭素社会を目指す国際的イニシアチブから圧力を掛けられていたのが、日本のエネルギー政策の最たる悪「石炭火力」でした。無論、2011年3月11日の東日本大震災で爆発事故を起こした原子力発電所についても最悪ではあると思いますが、原子力発電は非化石発電です。事故をはずして考えてみれば二酸化炭素を放出し続ける石炭火力発電所は、やはり看過できない問題なのは確かです。

休廃止される石炭火力発電所は全体の90%

梶原経済産業相の談話では、日本国内にある石炭火力発電所の9割にあたる約100基を、2030年までに休廃止するということでした。残りの10%(30基程度)については、効率の良い新型の石炭火力発電所であるので、そのまま残存する予定です。

また効率のよい新型の二酸化炭素排出量が少ない石炭火力発電所については、増設も検討されるようです。それはエネルギーの供給バランス目標について、従来から政府が発表しているように再生可能エネルギーの増幅と、原子力、石炭火力、LNG(天然ガス火力)の四つ巴をすることに変更がないからです。

日本国のエネルギー供給バランス資料グラフ
資料出展:経済産業省

なぜこの時期に石炭火力に言及したのか

経済産業省と環境省は、やはりCOP25(第25回 気候変動枠組条約締約国会議)で石炭火力に依存する国として、世界的に叩かれたことをそのままにできなかったようです。また、衆参両院からも突き上げを食らっていたようで、ここでの発表になった経緯もあります。

隣国の韓国のように、いまだに原子力発電事故の被害を語る国があるように、エネルギー政策はもはや世界的に敏感な政策になってしまいました。それだけ緻密な計画が必要なわけですが、気になるのは最終的に脱原子力にも、脱石炭火力にも至らないということでしょう。

四つ巴のエネルギー比率なら蓄電池搭載と夜間逆潮流の開放を

日本の主力電源である石炭火力を減らし続けて行くには、現在主力電源の1つであるLNGを増やすのではなく、原子力と再生可能エネルギーを増やす必要があります。しかし再生可能エネルギーは低圧・高圧含め、電気の供給バランスを保つ課題が存在します。

たとえば、太陽光発電は季節により変わったり、昼夜でゼロか百かと言ったような結果を生む仕組みです。このような既存の発電方法と比べて特殊な形態を持つ発電所を、いかにして活用するのかは、官公庁の柔軟化が欠かせないと言えます。

現状では既存の太陽光発電所に、後付けの蓄電池を搭載し、系統(電力供給をする送電線本線)へ逆潮流することは認められていません。これを認めることにより、電気の需給を見つつピークシフトを可能にし、引いては日本の電源バランス効率化の貢献値が格段に上がるのです。

ただし、投資用太陽光発電所という意識が官公庁にあるためか、なかなか進捗が捗ることはありません。事業者が儲かる仕組みをつくってしまうという懸念があるためと考えます。

再生可能エネルギーの送電線優先利用改革

石炭火力発電所やLNG火力発電所については、ガスコンロような要領で出力抑制が可能であるとされてきました。しかし送電線の優先仕様はそのような大規模発電所に設定されています。そのため太陽光発電のような再生可能エネルギー発電所の送電線連系に時間がかかったり、停止されたりしてきました。

このため、再生可能エネルギー電源の普及を阻害しているとも言われていました。そこで今回、送電線仕様の順位を最優先に変更しようということも、梶原経産相の発言に盛り込まれました。これは太陽光発電を含む、再生可能エネルギーの出力抑制が減少するものであろうと期待されています。

太陽光発電事業者の負担も軽減の可能性

その逆に、送電線網の構築のため、各再生可能エネルギー発電事業者に1kwhあたり150円程度負担させる案がありました。事業者側は、事業開始する時点で連系負担金(=過去の電電公社の電話加入権のイメージ)を支払っているため、後付けの二重徴収なのではないかという不満がありました。

この1kwhあたり150円の負担金についても、事業者負担が大きすぎるとして、経産省によって価格設定の見直しを行うことになりました(この案が廃案になるということではなさそうです)。

編集後記

全てにおいて、2021年のエネルギー基本計画の見直しの時点で決められるよう、2020年7月中に有識者会議を設置し、取りまとめを急ぐ方針。太陽光に関わる事業者としてだけではなく、日本国民のためにも地球環境保全のためにも再生可能エネルギーを活かし、国家が安定的かつ健康的なエネルギー政策を進めていってもらいたいと考えます。

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